2014年11月24日月曜日

4.更年期症状に対するアロマセラピーの効果

今回は更年期症状に対するアロマセラピーの効果を検討した論文を紹介します.



テヘランの婦人科クリニックに通院中の女性患者90名を対象として,アロマオイルを用いたマッサージ群(AM),通常のオイルマッサージ(PM),通常のケアのみ(SC),それぞれの更年期症状の改善効果を比較しました.AM群,PM群は30分間のマッサージを週2回,4週間受けました.

その結果,施術4週間後における更年期症状スコア(Menopausal Rating Scale)は,AM群およびPM群がSC群より有意に改善していました.さらに,AM群はPM群よりも大きい改善効果を示しました.



アロママッサージは,更年期症状の改善に有効である可能性があります.当サロンでは,クライアント様の症状に合ったアロマオイルを適用しております.おわり.


Effect of aromatherapy massage on menopausal symptoms: a randomized placebo-controlled clinical trial.
(Darsareh F. et al. Menopause. 2012)

2014年11月13日木曜日

3.手術を受ける患者に対する精油による代替治療

アロマセラピーは,出産分娩,感染予防,認知障害など,様々な領域で用いられるようになっています.

今回は,手術を受ける患者に対するアロマセラピー(精油)の文献レビューを紹介します.

ラベンダーおよびオレンジの精油は,手術前の不安の軽減に有効でした.また,ペパーミントの精油は,術後の嘔気(吐き気)を減少させる効果が認められました.

しかしながら,術後の痛みの軽減,創部の感染予防には十分な効果が認められませんでした.

対象,適用を見極めて,精油を使わなければなりませんね.おわり.


Essential Oils for Complementary Treatment of Surgical Patients: State of the Art
(Susanna Stea, et al. Evid Based complement Alternat Med. 2014)

2014年11月2日日曜日

2.根拠に基づくアロマセラピー(1)

このブログでは,根拠に基づくアロマセラピーの情報も提供していきたいと思っています.

今回は,補完代替療法に対する意識について日本の医師薬400名を対象として調査された論文を紹介します.


補完代替療法の効果を信頼するかどうか,1999年と2005年に聴取した結果,「アロマセラピー」と「アーユルヴェーダ」の効果を信頼するという回答数に有意な増加が認められました.

医師の診療に補完代替療法を「併用したいと思う」は58%,「併用したいと思わない」は42%でした.「併用したいと思う」理由としては,西洋医学の限界,患者の意向が挙がりました.逆に,「併用したいと思わない」理由は,科学的根拠に乏しい,知識・経験が無い,保険診療外であることが挙りました.


今後,さらに補完代替療法(アロマセラピー)を広めるためには,やはり臨床研究による効果を示し,その効果を広く知ってもらうことが重要だと思いました.おわり.


Changes in Attitudes of Japanese Doctors toward Complementary and Alternative Medicine
Comparison of Surveys in 1999 and 2005 in Kyoto
(Kenji Fujiwara, et al.  Evid Based Complement Alternat Med. 2011)